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■看板回想録
<−あなたは
ハッピー企画 代表 秋山 豊一
〒581-0823 大阪府八尾市桂町5-46-6 Tel:0729-95-7500 Fax:0729-95-7510 ■執筆者コメント: IT全盛の「今」でも人間味がなくては商売もなにもあったものではありません。看板に関わる人間模様はたくさんあります。そんな実話をいくつかご紹介していきます
第1回 ホーロー看板と親父
「帰ったぞぉ〜」 親父が3ヶ月ぶりに家に帰ってきました。 昭和30年代の話です。当時私は小学校低学年でした。 親父はホーロー看板の設置に全国を廻っていたので、家に帰ってくるのは年にせいぜい2〜3回なのです。 ご存知の方もいるかと思いますが、このホーロー看板はキンチョーの看板です。 当時は家に電話も無く、突然帰ってくるので、私が学校から帰ると家に親父が居ることがあります。 嬉しかったですよ・・・冬なのに真っ黒に日焼けして大きくみえました。 その夜は必ず親父と寝るんです。寝床で土産話を遅くまで目をパッチリ開けて聞きます。 なぜなら、聞きもらせば損をするような面白い話や楽しい話をしてくれるからオチオチ寝てる場合ではありません。 親父は出張から帰ると、次の施工工程である地域の地図を買ってきて、トーレシングペーパーに地域ごとに転写し、それにその地域の人口を計算して施工枚数の予定を書いて、青写真に焼いて資料を作っていました。 そうです。親父は今で言うデータベースをしっかり作っていたのです。 他のスタッフは、地図だけ持って、すぐ出発しないとノルマが達成できなないのに対し、親父はそのデータベース作るのに一週間かけてもノルマの日程より早く終わる事ができました。余った日は観光するんだそうです。 だから親父の土産話は観光地や温泉に入った話で仕事の苦労話はあまりなかった記憶があります。(笑) そのデータベースはそのまま施工写真を付けて報告書となり、元請さんに大変好評を得ていたようです。 余談になりますが、親父が何年かぶりに東北へ行った時に、以前取り付けたキンチョーの看板があまりにもキレイなままなので、不思議に思い注文主に尋ねてみると、なんと、注文主のおばあさんが毎日磨いていたそうです。 当時は、看板を取付けさせてもらったお礼にタオル(メーカー支給)を渡していたそうですが、そのおばあさんは義理を厚く感じてくれていて、キンチョー看板を毎日毎日丁寧に磨いていたそうです。なにか心が和みますね。 親父は、お礼の言葉がないくらい嬉かったと言っていました。 現在、看板業界でもIT化が進み、色んな情報が機械的にすぐ手に入る時代ですが、人として義理を感じて毎日看板を磨くおばあさんのような、温かいアナログ的な気持ちを常に持っていたいものです。 |
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