看板仕事人 納涼会追記報告2026年07月04日 15:55

中日本スタッフの奥山です。
今回の大人の社会見学の施設について熱すぎる推薦文をMさんが書いてくれました。
これを読んだら行くかどうか迷ってる方もきっと参加しようと思い立つでしょう。
この施設を見てビールを吞みながら感想を歓談する至福の時間を一緒に過ごしませんか。

とある大阪の会員です。 今回の納涼会で「トヨタ産業技術記念館」に行くと聞き、
どうしても一言お伝えしたくて筆を取りました。

結論から言って、あそこはヤバイ。
国の予算で作った国立博物館だったとしても、あれほどの展示はできません。さすが世界のトヨタ。

正直に申します。 「企業ミュージアム」と聞いて、期待していませんでした。 
ガラスケースに収められた古い道具、「お手を触れないでください」の注意書き、
順路に沿って「ふーん」と歩いて終わり——そんな場所だろうと、舐めてかかっていました。

完全に、度肝を抜かれました。 1日では、見切れませんでした。

まず知っていただきたいのは、あの場所が何であるか、ということです。
 イマドキ、都会にある巨大工場が閉じれば、跡地には商業施設かタワーマンションが建ちます。
大阪でも松下電器の門真工場は「ららぽーと」に変わりました。
それが現代の常識です。

しかしトヨタは、創業の地である巨大な赤レンガ工場を壊しませんでした。
売りませんでした。
創業家が今もトップに立ち続け、先祖の魂を守り抜いているからこそ成し得た、静かで途方もない決断です。

そして、この施設の本当の凄みは「動態保存」にあります。
ここでは、あらゆるものが生きています。

展示は、綿の実を脱穀し、糸を紡ぐところから始まります。
手回し式の紡ぎ機が、やがて動力式になり、大量生産の機械へと進化していく。
驚くべきことに、これらは全てトヨタが自ら作った機械です。 

続いて現れるのは、創業者・豊田佐吉が母親の機織り仕事を楽にしてやりたいと作った、木製の足踏み式織機。
オペレーターの方が、当時のままの構造で実際に布を織りながら解説してくれます。
そして、足踏みが水車を経て、蒸気機関へ。モーターへ。
技術は静かに、しかし確実に進化していき——
最後には、リニア駆動でマシンガンのように超高速で布を織り上げる最新鋭機が轟音を上げています。
全部トヨタ製。

一人の息子の優しさから生まれた小さな織機が、世界最先端の技術に繋がっている。 
その全てが、途切れることなく、目の前で動いているのです。

物語はさらに続きます。 
織機屋だった男が、手探りでエンジンを自作し、自転車に載せてみる。
オートバイになり、やがて自動車へ。
世界のトヨタは、そんなDIYのような一歩から始まっています。 

最初に作ったというトラックは、完全にレストアされ、新車のような輝きで展示されています。
年に一度は実際に表を走らせるのだとか。

極めつけは、工場から退役した生産ラインが丸ごと動いていることです。
巨大なプレス機がコンロッドを鍛造し、歴代の溶接ロボットたちが時系列に並んで鉄板を自動車に仕上げていく。
機械の油の匂い、鍛造の音、溶接の火花——そこはもう博物館ではなく、稼働する工場そのものです。

普段からモノづくりに携わっている我々だからこそ、あの空間で感じるものがあるはずです。 

綿の実から始まり、一台の自動車が生まれるまでの、人間の知恵と情熱の全てが詰まった場所。

そこでたっぷり情熱を吸い込んで、喉をカラカラにした後の柳橋市場でのビール。 

控えめに言って、最高でしょう。

迷っている方は、騙されたと思って行ってみてください。 
あの日の私のように、きっと良い意味で裏切られますから。

追伸:車好きの方へ。伝説の「トヨタ 2000GT」や「レクサス LFA」が展示されてます
我々世代には懐かしい「ソアラ」「マークⅡ」「カローラ」もズラリと並んでいます。
展示の前で「わし、昔これ乗ってたわ!」と盛り上がるだけでも、行く価値は十分ありますよ。



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